介護・看護している人は必見!巻き爪を防ぐ「第三者への爪切り」実践テクニック

介護・看護の現場では、たくさんの高齢者や疾患を持つ方が巻き爪になっていますが、自分で正しい爪切りや予防対策ができないことで苦しんでいることが多々あります。
この記事を通じて、巻き爪の正しいケア方法を学び、介護・看護を必要とする方のQOLを向上させましょう。
この記事を通じて、巻き爪の正しいケア方法を学び、介護・看護を必要とする方のQOLを向上させましょう。
巻き爪の影響と爪切りの重要性
巻き爪は進行すると、痛みにより歩行や活動が制限され、生活の質を著しく低下させます。
なぜ介護・看護の場において、巻き爪で苦しむ人が多いのでしょうか。
看護・介護現場で巻き爪患者が多い理由
巻き爪の原因は多岐にわたりますが、看護・介護現場に特有の要因は主に2つあります。
要因1:「歩行制限」で、加齢による筋力低下や、入院などにより歩行が制限されると、巻き爪のリスクが高まること
視力の低下や、腰痛などの関節痛によって自分で爪を切ることができず放置されて悪化するケースも見受けられます。
要因2:介護や看護をしている人が、「間違った爪切り」をしていること
正しい知識を知らずに、その人の爪を丸く切りすぎたり深く切りすぎたりすることで、爪が皮膚に食い込みやすくなり、巻き爪を引き起こしているのです。また、高齢者の爪は厚く硬い傾向があり、適切な爪切りが難しいことも要因の一つです。
その他の巻き爪になる原因については、こちらの記事をご覧ください。



巻き爪の日常生活への影響
巻き爪が原因で足に痛みが生じると、歩行や立ち上がることが困難になり、転倒リスクが増加します。
その結果、トイレやベッドからの起き上がり、食事を取りに行くといった基本的な日常動作が制限されてしまいます。
加えて、運動やレクリエーション活動への意欲が低下し、社会的な活動も制限されることで孤立感や抑うつ症状を引き起こすことがあります。
また、巻き爪によって皮膚が傷つきやすくなり、細菌が侵入しやすくなるため、特に糖尿病患者や免疫力が低下している高齢者は感染症のリスクが高まります。
巻き爪は看護・介護が必要な方の日常生活に多大な影響を及ぼすのです。
巻き爪の爪切りと医療行為の関係


爪切りの法的位置づけ
爪切りに関して、厚生労働省が発表した平成17年の【医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)】では、規制の対象とする必要がない行為の一つとして、以下のように明記されています。
爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ることおよび爪ヤスリでやすりがけをすること
また、平成29年に経済産業省から発表された「グレーゾーン解消制度」の活用結果として、以下の行為は医師法第17条の規定に違反しないとされています。
▶︎ 高齢者介護施設に入居する高齢者の"医師が治療の必要がないと判断した部位"に対して
軽度のカーブや軽度の肥厚を有する爪について、爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること
下腿と足部に癒す品ではない保湿クリームを塗布すること
軽度の角質の肥厚を有する足部について、グラインダーで角質を除去すること
足浴を実施すること
つまり、軽度の巻き爪や肥厚に対する爪切り・やすりがけといった対応は、条件を満たす限り医療行為には該当しないと整理されています。
看護師と介護職員の役割
高齢化社会の進展に伴い、看護師や介護職員が行える範囲を理解し、適切なケアを提供することは非常に有意義な行為と言えるでしょう。
看護師の役割
看護師の業務には「療養上の世話」が含まれており、爪切りもその一部とされています。そのため、健康な爪だけでなく、巻き爪など幅広い爪のケアを行うことができます。
巻き爪への対応範囲
爪の周囲の角質や汚れを除去して爪の状態を確認し、爪切りでの対応が可能か、医療的処置が必要かを判断します。
巻き爪が軽度であれば、適切な爪切り、爪やすりでのケアを行います。
痛みや炎症への対応
巻き爪により患部に痛みや炎症、化膿が見られる場合、必要に応じてテーピングなどで応急処置を行い、症状の悪化を防ぎます。
介護職員の役割
介護職員は、健康な爪や医師が治療の必要がないと判断した部位に関しては、爪切りややすりがけを行うことができます。
ただし、巻き爪や炎症、出血、感染症のリスクがある場合や、糖尿病など専門の管理が必要な場合は、看護師と連携し適切に対応することが求められます。
健康な爪の維持
爪切りや爪やすりを行い、日常生活に不便が起きないようにサポートします。健康な爪を維持し、爪のトラブルを予防することでQOL(生活の質)の向上に繋がります。
異常の早期発見と報告
巻き爪の兆候や爪の異常を早期に発見し、看護師に報告することで、早期の対応を可能にします。特に、炎症や感染症のリスクがある場合は、速やかに対応することが重要です。
爪の正しい切り方
それでは、巻き爪を予防する「第三者への正しい爪の切り方」をご紹介します。
他人の爪を切る際の注意点についても詳しく解説します。
切り方はスクエアオフカット
スクエアカットとは、爪の先端をまっすぐに切り、両端を深く落とさない切り方のことです。爪の角を残すことで、爪が皮膚に食い込みにくくなり、巻き爪の予防につながります。

爪が硬く厚い場合は、爪切りの前に足湯やホットタオルなどで爪を柔らかくすると切りやすくなります。
「爪の切り方」についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

使用する道具の紹介と選び方

爪を「スクエアオフ」に整えやすくするには、適切な道具を選ぶことも大切です。
足の爪切りは一般的に使用される「曲線刃」ではなく、刃が直線の「水平刃(直線刃)」の使用が適しています。
また、分厚くなった爪や、巻きが強い爪にはニッパー型の爪切りが適しています。
しかし、ニッパー型は取り扱いが難しく、皮膚を傷つける恐れがあるため、【巻き爪研究所】では様々なタイプの爪に対応可能な【足の爪専用の爪切り】を開発しました。
以下の記事で、おすすめの爪切りやヤスリ、その他必要な道具をこちらの記事でご紹介しています。

対象者が巻き爪の場合は?
対象者が巻き爪の場合も、スクエアオフカットが基本となります。
しかし、爪が強く変形し、厚く硬くなることで爪切りが難しくなるケースもあります。
以下に、巻き爪の場合でも実践できる爪の切り方のポイントをご紹介します。
巻き爪の爪切りをする際のポイント
足湯や入浴で爪を柔らかくする
爪が厚く硬くなっている巻き爪は、足湯や入浴をすると爪が柔らかくなるため切りやすくなります。
爪が硬いまま爪切りを行うと、割れたり欠けたりするリスクがあるので注意が必要です。
▶︎ やり方:37〜40度のぬるま湯に10分〜15分足をつけましょう。
爪や周囲の皮膚の汚れを落とす
足湯や入浴後に、爪や周囲の皮膚の汚れを落とすことも大切です。
巻き爪は爪と皮膚の間に汚れが溜まりやすいため、そのままにしておくと雑菌が繁殖し、巻き爪から細菌感染を引き起こす可能性があります。
▶︎ やり方:石鹸を泡立てて、爪ブラシや歯ブラシなどで優しく爪の間に溜まった汚れを落としましょう。
爪切りはニッパー型を使う
ニッパー型の爪切りは、巻き爪の爪切りをするのに適しています。
ニッパー型は一般的な爪切りよりも刃先が大きく広がり、少ない力で爪を切れるので、分厚くなった巻き爪や、皮膚に強く食い込んだ巻き爪にも対応できます。
巻き爪が皮膚に食い込んでいても深爪はしない
巻き爪が皮膚に食い込んでいる場合でも、深爪や爪を斜めに切るのはNGです。
深爪や爪を斜めに切ると、巻き爪が悪化したり、切った爪の断面が棘状になり皮膚を傷つけて炎症を引き起こすことがあります。
爪の先端の食い込みが気になる場合は、爪の端から爪の下に薄いやすりを入れ、手前に引きながら整えましょう。

他人の爪を切る際の注意点とポイント
他人の爪や巻き爪を切る場合は、自分の爪を切るときとは異なり、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、他人の爪を切る際の注意点やポイントを分かりやすく解説します。
あわせて、施設などで個人専用の爪切りを用意できない場合の、適切な消毒方法についてもご紹介します。
他人の爪を切る際のポイント
説明と同意
これから行う手順を事前に説明し、相手の同意を得ます。心理的な安心感が相手の緊張をほぐし、スムーズな作業が行えます。具体的にどのような道具を使い、どのように爪を切るのかを伝えましょう。
爪を柔らかくする
高齢になると爪が乾燥して硬く厚くなる傾向があるため、巻き爪同様に足湯やホットタオルなどで爪を柔らかくします。爪が硬い状態で無理に切ろうとすると爪が割れたり、皮膚を傷つけるリスクがあるので注意が必要です。
相手がリラックスできる姿勢にする
爪を切る相手がリラックスできる姿勢を保ちます。座った状態で足を持ち上げたり、手を台の上に置くなど、無理のない姿勢にしましょう。これにより、相手が動かずに安定して爪を切ることができ、作業がスムーズに進みます。
感染予防
特に糖尿病患者や免疫力が低下している高齢者の場合、感染予防は非常に重要です。手指や道具の消毒を徹底し、感染を未然に防ぎます。爪切りやヤスリは使用前後に必ず消毒し、清潔な状態を保ちます。使い捨ての手袋を使用すると、感染リスクをさらに減らせます。
爪や周囲の皮膚の状態を確認
爪の様子を観察し、巻き爪の状況や爪の肥厚、爪白癬の有無、皮膚に炎症や出血がないか確認します。ゾンデを使用し爪周囲の角質や汚れを除去すると、より爪の状態がわかりやすくなります。
爪は小刻みに切る
一度に多くの爪を切ると、皮膚を傷つけたり、爪に負担がかかり割れたりします。少しずつ小刻みに切ることで、爪の切りすぎを防ぎ、形を整えやすくなります。
相手の反応をチェック
爪を切る間、相手の反応を常にチェックします。痛みや不快感を感じている場合は、すぐに作業を止めて確認しましょう。
爪切り後のケア
爪を切り終えた後、爪や周りの皮膚に保湿クリームを塗布し、乾燥やひび割れを防ぎます。
個人専用の爪切りが用意できない場合は?
爪切りは衛生的な観点や感染の観点から個人の爪切りを用意するのが望ましいですが、施設によっては個人用の爪切りをすべての方に用意することが難しい場合もあります。
そのような場合の爪切りの消毒は以下の①〜③の方法を参考にしてください。
【個人専用の爪切りを用意できない場合の処理方法】
①洗浄→熱水消毒 (70~80℃ 10分)
②洗浄→消毒用エタノール(アルコール)2度拭き。※構造上清拭できない場合は10分浸漬。
③洗浄→0.1次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)30分間浸漬→すすぎ乾燥
▶︎ 注意
金属製品は腐食するので、消毒後は流水にて十分に洗い流す必要がある。
参考文献: 小林寛伊,【補訂版】消毒と滅菌のガイドライン,へるす出版,2014.
また、個人宅で爪切りを消毒する場合は、アルコールを塗布した清潔な布で2度拭きする程度で十分です。
こんな場合の爪切りはどうする?
看護・介護の現場ではさまざまな方の爪切りをする場面があります。
ここでは、現場で起こる可能性のあるケースとその対応方法をご紹介します。
巻き爪がひどい場合
巻き爪がひどく皮膚に食い込んでいる場合、無理に爪切りを行わず皮膚科や形成外科の受診を勧めましょう。受診までの間は、痛みの緩和方法としてテーピングを使った応急処置が効果的です。
巻き爪による出血や化膿を伴う場合
出血や化膿が見られる巻き爪は感染リスクが高いため、爪切りは行わず医師の指示を仰ぎましょう。出血がある場合はまず止血を優先し、患部を消毒します。
化膿が進行している場合は、抗生物質の適用を含めた医師の指示に従い適切な創傷管理を行います。
巻き爪の糖尿病患者
糖尿病患者は末梢神経障害や血流障害があるため、爪を切る際には慎重なアプローチが求められます。
感染や潰瘍のリスクを抑えるために、爪を少しずつ切り、切った爪の断面で傷ができないように丁寧にやすりがけを行います。
爪切り前は足をしっかり洗浄・消毒し、使用する道具も完全に滅菌して行います。
巻き爪の認知症患者
認知症の方は爪切りを行う際に協力を得るのが難しい場合があります。
爪を切る前に、何を行うのかを本人と家族に簡潔に説明し、不安を和らげます。
爪切りの間も穏やかに声をかけ、安心できるように作業を進め、必要に応じて他の介護職員や家族のサポートを得ます。
爪を切る際は患者の反応をよく観察し、作業は迅速かつ正確に行い、痛みや不快感を最小限に抑えます。
肥厚爪の場合
肥厚爪は通常の爪切りでは対応が難しく、専用の道具が必要です。
ヤスリやグラインダーを使用して爪甲の厚みを徐々に減らしてからカットします。
爪切りには水平刃(直線刃)のニッパー型を使用し、斜めに切り込みを入れてから少しずつ切ることで、爪が割れるのを防げます。
巻き爪で爪が変色している場合
爪が変色している場合、爪の色によって真菌感染症や血流障害などさまざまな疾患が考えられます。
変色が見られる場合はまず医師の診断を受け、適切な治療方針を決定します。その上で、医師の指導に従い適切な爪切りを行います。
爪切り以外の巻き爪予防で出来ること
巻き爪を予防するためには、爪切りだけでなく日常生活でのケアや適切な対策も重要です。
ここでは、爪切り以外で巻き爪を予防するためのサポート方法をご紹介します。
爪切り時の巻き爪チェック
爪切りの際に巻き爪の兆候をチェックすることは、早期発見と早期対策に繋がります。
爪が皮膚に食い込んでいないか、炎症や赤みがないかを確認し、異常があればすぐに対策を講じることで悪化を防ぐことができます。
適切な履き物の用意
巻き爪の大きな原因の一つに、足に合わない靴を履くことが挙げられます。以下の記事で正しい靴の選び方、履き方を詳しく解説しています。

爪と足の保湿
乾燥した爪や足は、巻き爪やその他のトラブルを引き起こしやすくなります。保湿クリームを使用して、爪や足の乾燥を防ぎましょう。保湿することで、爪の保護や皮膚のひび割れ・掻き傷などの予防にも繋がります。
足底や足趾の筋力維持
足底や足趾の筋力が低下すると巻き爪のリスクが高まります。
以下に、巻き爪予防に繋がる足趾の簡単なエクササイズをご紹介します。
タオルギャザー
床に置いたタオルを足趾を使い引き寄せる運動です。足趾や足底の筋肉を活性化させることで、足のアーチが崩れるのをサポートし、歩行時の踏み込みを強化します。運動負荷が高くないので高齢者の方でも取り入れやすい運動です。
①フェイスタオル程度の大きさのものを床に敷きます。
②立位またはイスに座り、タオルの端に指を乗せ手繰り寄せます。
▶︎ ポイント
足趾でタオルを手繰り寄せる前に、しっかり指を開くことを意識しましょう。タオル1枚分を目安に行いましょう。

テーピングや絆創膏による応急処置
巻き爪の痛みを軽減し、症状の悪化を防ぐためにテーピングや絆創膏を使用することが効果的です。
皮膚に食い込んでいる爪をテーピングや絆創膏によって離すことで悪化を防ぎます。
以下の記事でテーピングや絆創膏を使った応急処置を詳しく解説しています。

専門的な巻き爪ケアという選択肢
日常のケアや第三者への正しい爪切りで多くの巻き爪トラブルは予防・改善できますが、症状が進行している場合や一般的なケアだけでは十分な効果が得られない場合、専門的な巻き爪ケアが必要となります。
最近では介護施設・看護施設に訪問しての巻き爪ケアもできる環境が少しずつ整ってきました。
本メディアを運営する巻き爪研究所でも、介護施設・看護施設への巻き爪ケア出張サービスも提供しています。
巻き爪ケアの出張サービス
専門のスタッフが現地へ訪問し、高度な技術と丁寧なケアで巻き爪を効果的に治療します。
スタッフは全員、専門の資格を持ち、豊富な経験を積んでいます。
安心して巻き爪ケアを任せていただけるよう、一人ひとりに合わせた施術を提供し、痛みを軽減しながら根本的な改善を目指します。
サービスのお申し込みや詳細なご相談はお気軽にお問い合わせください。(現在、関東の一部のエリアのみ受付を承っております)





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