その痛み、巻き爪の初期症状かも? 軽度な巻き爪の見分け方8選


もしかすると、それは巻き爪の初期症状かもしれません。
初期であれば自分で改善できますが、症状がひどくなると治療が必要になります。場合によっては、激痛で歩くのが困難になってしまったり、手術が必要になることも。
そのため、いかに「軽度の巻き爪」の時点でケアできるかが重要です。
この記事では、わずかな兆候でも巻き爪かどうかを判断できる「自分で見分ける巻き爪診断ガイド」をご用意しています。

まずは知っておきたい、巻き爪の基本知識
巻き爪になると、痛みを発症するのはどうして?

巻き爪とは、爪の両端が本来の緩やかなカーブよりも内側に巻き込んだ状態を指します。
この状態になると、爪が周囲の皮膚を圧迫したり、皮膚に食い込むことで痛みが発生します。
さらに、爪先や指先は細菌や老廃物が溜まりやすい場所なので、巻いた爪が皮膚を傷つけると、皮膚が炎症や細菌感染を起こして、巻き爪の痛みはさらに強くなります。

巻き爪だとしても、爪が皮膚を圧迫したり食い込んだり、炎症が起きていない場合には、巻き爪による痛みが発生しない人もいます。
そして、こういったケースは、爪が巻いていても生活には支障がないため放置されがちです。しかし、「今は痛みを発症していない」だけで、「痛みを発症するリスクが常に潜んでいる状態」です。
巻き爪は爪が巻けば巻くほど痛みのリスクが高まり、正常な爪の形に戻すのが困難になります。
そのため、痛みを感じてから対策するのではなく、痛みの有無に関わらず爪が巻いてきたタイミングで対策するのがベスト
と言えます!
足の親指が巻き爪になりやすいのはどうして?
巻き爪は、主に足の親指に生じることが一般的です。
実際、巻き爪研究所が提供する「巻き爪チェック」という無料サービス内で「最も痛みを感じる指を教えて下さい」という質問に回答した方の81%(218人中177人)が「右足または左足の親指」と回答しました。

これは他の指に比べて、特に足の親指に大きな圧力がかかるのが原因です。
足先で踏ん張るとき、歩いたり走ったりするとき、足の親指で地面を押し返しています。
しかし、骨は親指の途中までしかなく、その先の骨がない部分は爪が骨の代わりに地面を押し返す力を受け止めています。
上記の状況によって、足の親指の爪は他の爪よりも厚く・硬く(=巻きやすい)、他の爪よりも爪下の肉からの押し返しが強い(=刺さりやすい)ため、足の親指の爪が巻き爪になりやすいのです。


足だけでなく「手」も巻き爪になる?
爪は巻く性質を持っているため、足だけでなく手の爪も巻いて巻き爪になることがあります。
手の巻き爪は、足の巻き爪と同様に「爪の切り方」などが原因になる場合もありますが、手特有の要因もいくつかあります。
例えば、以下のようなものです。
・日常的に手を使う作業(タイピング・料理・荷物移動など)で、手の爪に負荷がかかる
・爪の噛み癖により負担が掛かり、爪の健康が損なわれる
・ジェルネイルやアクリルネイルで、爪が薄く弱くなる
・除光液に含まれるアセトンで爪が乾燥して、割れや変形が生じる
▶ 補足
手の巻き爪は足の巻き爪に比べ割合が非常に少ないため、本メディアのほとんどの情報は足の巻き爪を対象とした内容となっています。
手の巻き爪に関する情報は1つの記事にまとめていますので、手の巻き爪で悩んでいる人はこちらをご覧ください。

なりかけの巻き爪は元に戻る?
結論から言うと、爪の湾曲が軽度であれば自然に治る可能性があります。しかし、中度以上になると、自然に治すのは難しいでしょう。
爪は本来、巻く性質を持っています(爪を巻く力)。同時に、床からの圧力(爪を押し広げる力)を受けています。
爪を巻く力と床からの圧力の均衡が保たれているとき、爪は適度なカーブを描きます。これが適切な爪の状態です。
しかし、爪が巻くほど、以下の2つの理由から床からの圧力(爪を押し広げる力)を受けにくくなります。
・爪のカーブがきつくなるほど、床からの圧力を受け止める面が小さくなる
・爪の端に行くほど床と角度がつき、床からの圧力を逃してしまう

そのため、中度以上になると「爪が巻く力 > 爪を押し広げる力」になりやすく、爪が自然に巻くことはあっても、自然に元に戻ることは難しくなります。こういったメカニズムが働くため、「爪は巻けば巻くほど、さらに巻きやすくなる」という悪循環に陥りやすいのです。

巻き爪の軽度・中度・重度とは

巻き爪は爪の湾曲度のレベルによって「軽度・中度・重度」に分けることができます。

「爪の巻き具合=痛みの大きさ」とは限りませんが、爪が巻いているほど今後痛みが発症するリスクや痛みが悪化するリスクは高くなります。
【問題なし】(10〜30度)
爪は本来自然な湾曲を描いており、10〜30度は正常な範囲内と言えます。
【軽度】(30〜50度)
正常よりも少し湾曲して巻き爪になっていますが、まだ軽い状態です。爪が徐々に巻いていくと気がつかないこともあり、足に痛みや違和感を感じてから初めて気がつく人が多いです。この範囲内であれば、適切な対応をすることで爪を正常な状態(10〜30度)に戻すことも可能です。
【中度】(50〜70度)
明らかに爪が巻いていることが分かる状態です。爪が肉に食い込んでいるので、歩行時や日常生活で痛みを感じることが多く、靴を履くことが困難になるケースもあります。
また、爪が皮膚を傷つけ炎症や細菌感染を引き起こす可能性があります。このくらいの巻き具合になると自分で悪化を防ぐことはできても、改善することは難しくなります。
【重度】(70度以上)
爪がくっつきそうなほど巻いている状態です。皮膚が炎症を起こしたり、出血や細菌感染する危険性が高いです。痛みの程度に関わらず、激しい痛みや歩行が困難になるリスクが常にあるため、巻き爪治療を真っ先に考えた方が良いと言えます。

見逃すな!巻き爪の初期症状8選
巻き爪の被害を抑えるには、早めに初期症状を見極めて、対策することが重要
です。
この章では、なりかけの巻き爪をいち早く見分けるために、巻き爪の初期症状や前兆を8つ解説します。
1.爪の端が以前よりも内側に巻き始める
2.爪の端を押すと痛みを感じる
3.爪の周りの皮膚に軽い赤みや腫れが見られる
4.爪の下の皮膚が固くなる
5.歩くときに足の指に違和感や軽い痛みがある
6.靴下やストッキングを履くと違和感や軽い痛みが出る
7.以前よりも爪切りがしにくくなった
8.爪に厚みや硬さが出てくる
1. 爪の端が以前よりも内側に巻き始める
巻き爪の初期段階では、爪の端だけ、もしくは爪の片側だけ内側に巻き始める場合が多いです。本来の緩やかなカーブよりもキツくなるため、巻き爪を判断するわかりやすい基準になります。
2. 爪の端を押すと痛みを感じる
爪の端を押したときに痛みを感じる場合、それは爪が皮膚に食い込んでいる証拠です。食い込み自体は軽い痛みでも、衛生環境が悪いと炎症を引き起こし、痛みが増すので注意が必要です。
3. 爪の周りの皮膚に軽い赤みや腫れが見られる
爪の周囲の皮膚が赤く腫れ始めるのは、炎症が発生しているサインです。これは、巻いた爪が皮膚に食い込んで生じた可能性があるため、巻き爪の可能性が考えられます。
4. 爪の下の皮膚が固くなる
爪が巻き始めると、爪の縁が肉に食い込みやすくなります。爪の下の肉が常に圧迫を受けた状態になると、角質が増えたり、爪の下の肉に炎症が起こることで徐々に皮膚の肥厚化や硬化が進行します。
5. 歩くときに足の指に違和感や軽い痛みがある
先の尖った靴や自分に合っていない靴を履いたり、長時間の歩行を行うことで靴の中で爪先が強く圧迫され、不快感や痛みを感じやすくなります。普段は違和感や痛みを感じなくても、歩行時に違和感や痛みが生じる巻き爪の方も多いです。
6. 靴下やストッキングを履くと違和感や軽い痛みが出る
靴下やストッキングを履くと爪が皮膚にあたるため、足の指に違和感や軽い痛みを感じる場合があります。これは巻き爪の兆候です。履き物の締め付け自体が巻き爪を助長する場合もあるので、注意が必要です。
7. 以前よりも爪切りがしにくくなった
一般的な爪切りは、正常な爪のカーブや爪の硬さに合わせて切りやすくなるように作られています。そのため、巻き爪で爪のカーブがきつくなったり、爪が硬くなったりすると、爪を切るのが難しくなります。
8. 爪に厚みや硬さが出てくる
窮屈な靴や締め付けの強い履き物を日常的に履いていたり、高齢になると爪が厚く固くなる傾向があります。爪が厚く固くなり、爪の柔軟性が失われると、爪を地面からの圧力で広げることが難しくなり、爪が内側に巻き込む傾向が強まります。
自分で見分ける巻き爪診断ガイド
この自己診断ガイドは、自分自身で巻き爪の可能性を判断するためのものです。


Q1:歩行
・長時間歩くと、足指に違和感や痛みを感じる(1点)
・短時間や短距離でも、歩くと足指に違和感や痛みを感じる(2点)
Q2:履物
・締め付けの強い靴下やストッキングを履くと、爪先に違和感や痛みを感じる(1点)
・靴下やストッキングを履くと、爪先に違和感や痛みを感じる(2点)
Q3:指圧
・爪の側面を押すと痛みを感じる(1点)
・爪の側面を押すと強い痛みを感じる(2点)
Q4:巻き具合
・爪が30度~50度巻いている(1点)
・爪が50度以上巻いている(2点)
Q5:その他
・爪周りの皮膚に赤みや腫れが見られる(1点)
・爪周りの皮膚に炎症と腫れのどちらも見られる(2点)
点数による判断結果
0点:正常な爪巻き爪の原因になるような行為を避ければ、今後も巻き爪になる可能性は低いでしょう。
1~2点:軽い巻き爪生活への支障はまだ少ないですが、放置をすると悪化する可能性があるので注意してください。
3点以上:重い巻き爪巻き爪による生活の支障が出ているので、悪化を防ぐための対策をした方が良いでしょう。
軽度の巻き爪の対処法

どうすれば良いかな?
軽度の巻き爪(巻きが軽い)や軽傷の巻き爪(痛みが小さい)であれば、生活習慣の改善で十分に予防と改善が見込めます。
具体的方針としては、間違った生活習慣をしている場合、特に悪影響が大きい「爪の切り方」と「靴の履き方・選び方」を見直すことが大切です。その上で、余裕があれば「指の保湿」や「歩き方」などにも意識を向けていくと良いでしょう。
ただ、実はそれ以上に大事なことがあります。それは巻き爪に対して「健全な危機意識」を持つことです。
健全な危機意識とは?
健全な危機意識:適度な警戒心を持ちながらも、過度に心配することなく、冷静に対処する姿勢のこと
軽度の巻き爪であっても、放置すると悪化し、痛みや感染症を引き起こす可能性があります。ひどい巻き爪になると、慢性的な痛みや歩行障害、日常生活の制限など多くの悪影響が生じることがあります。まずはそういった、巻き爪にどんなリスクや支障が潜んでいるかを把握することが大切でしょう。

とはいえ、巻き爪の危険に引っ張られすぎて、まだ起こっていない不安や恐怖を心配しすぎる「過剰な危機意識」を持つのも良くありません。あくまでも、持っておきたいのは「健全な危機意識」。
このまま何もしないと巻き爪が悪化して痛い思いをするかもしれない。でも、しっかりと対処すれば巻き爪を恐れることはない。このくらいの塩梅が、軽度の巻き爪に対するちょうどよい心持ちと言えます。

まとめ
巻き爪は、軽度であれば自分で無理なく対策ができる症状です。そのため、巻き爪の初期症状に気づくことが非常に重要です。
この記事では、巻き爪の初期症状を8つピックアップし、自分で見分けるための自己診断ガイドを紹介しました。


巻き爪に悩むあなたのために。
巻き爪研究所
