陥入爪の切り方とトゲの取り方|正しい爪切りで痛みを解消

陥入爪は放置すれば炎症や膿を引き起こし、ひどい場合は歩行困難になることも。陥入爪を防ぐ正しい爪の切り方
【結論】 陥入爪を予防するためには、日々の爪切りが非常に重要
正しい爪の切り方を身につけ実践することで、陥入爪のリスクを大幅に減らすことができます。
ここではまず、爪切りの基本である「スクエアオフカット」について解説します。
爪切りの基本は「スクエアオフカット」

爪切りの基本は、指先と同じ長さで爪を平行にカットし、角を少しだけ丸める「スクエアオフカット」です。
スクエアオフカットは、爪の切りすぎを防ぎ、爪の強度にも優れているため、陥入爪だけでなく多くの爪トラブルを予防することができます。
スクエアオフカットの詳しいやり方は以下の動画で解説しています。

陥入爪の主な原因は「深爪」

陥入爪の原因は様々ありますが、最も多い原因は「深爪」です。
ここでは、深爪が陥入爪に発展するメカニズムと、深爪が習慣化する理由を解説します。
深爪以外の「陥入爪の原因」を知りたい方は、こちらをご覧ください。

なぜ深爪で陥入爪になるのか
足の爪には、体重を支える、バランスをとる、歩く・走る際に力を伝える、衝撃から指先を守るなど、様々な役割があります。
しかし、深爪によって爪の支えがなくなると、歩行などの衝撃を受け止める爪が短いと周囲の皮膚が盛り上がり、爪が伸びた際に食い込みやすくなるため、陥入爪の原因になります。
爪を切りすぎないように注意
深爪を防ぐには、爪切りは深く入れず、爪の表面を軽く挟むようにして切りましょう。
一度に大きく爪を切るのではなく、少しずつ丁寧に切り進めることが大切です。


深爪が習慣化する理由
深爪が習慣化する主な理由としては、「痛みの回避」のためではないかと推測されます。
当メディアのアンケート結果によると、爪が痛む場面として約半数と最も多く票を集めたのが、「爪が伸びたとき」です。
爪が伸びる際に皮膚に触れて痛みが生じるため、その痛みを避けるために爪を切りすぎてしまっている可能性があるのです。
▶ 巻き爪に悩む300名に聞きました
巻き爪による痛みはどのような場面で発生することが多いですか?当てはまるものを全て選んでください。

※本アンケートは、2024年09月02日~09月03日に調査会社Freeasyが実施したウェブアンケートで、事前スクリーニングにより巻き爪に悩む対象者300名(男性103名・女性197名|複数回答可)を対象としています。
※このアンケートは巻き爪に悩む対象者のため、陥入爪ではない方も含まれます。
深爪をしてしまった場合は?


陥入爪の予防には「スクエアオフカット」が基本ですが、深爪で爪が短いと、そもそもスクエアオフカット自体が難しいという問題があります。
このような場合には、まず適切な長さに爪を伸ばす必要があります。
とはいえ、適切な長さまで伸ばすにはある程度時間が必要で、その間も爪が伸びるにつれて皮膚に食い込みやすくなっているので、何らかの対策をしなければなりません。

そんなときに、手軽にできる対策の一つが「テーピング」。
テーピングは、爪が皮膚に食い込むのを防ぎながら、適切な長さに伸ばすのを助ける方法です。
テーピングの巻き方や注意点はこちらの記事をご確認下さい。



すでに陥入爪になっている人の爪切り
陥入爪の爪切りは、健康な爪の爪切りとは異なり、いくつかの注意点と手順を踏む必要があります。
ここでは、陥入爪の悪化を防ぎ、快適な状態を保つための適切な爪切り方法について解説します。
陥入爪の爪切りの流れ
陥入爪の爪切りを効果的に行うにはいくつかポイントや注意点があります。以下の手順を参考に行いましょう。
▶ 爪切りの手順(陥入爪)
温浴と汚れの除去
洗面器や足浴槽に40℃程度のお湯を入れ、足を10〜15分ほど浸します。その後、爪と皮膚の間を爪ブラシを用いて優しく丁寧に洗いましょう。 爪と皮膚を柔らかくすることで、爪が切りやすくなり、皮膚への負担を軽減します。
併せて、爪周りの汚れを落とすことで、感染症のリスクを減らします。
消毒
手指は石けんで丁寧に洗い、患部の消毒を行います。
爪切りや爪やすりなどの器具は、消毒用エタノールなどを塗布した清潔な布やタオルで消毒しましょう。
爪周りの皮膚を清潔に保つことで、炎症悪化のリスクを減らし、器具を消毒することで、細菌の感染を防ぎます。
スクエアオフカット
爪を指先に揃えてまっすぐに切り、両端はやすりで角を少し整えましょう。
少しずつ丁寧に切ることで、切りすぎや深爪のリスクを減らすことができます。
断面のやすりがけ
爪切りで切った部分を、爪やすりで優しく削ります。
やすりがけする際は、往復させると爪の組織に負担がかかるため、足の甲側から足の裏側に向かって一方向に行いましょう。
爪を切った断面を滑らかに整えることで、引っ掛かりを防ぎ、皮膚を傷つけるリスクを減らします。
埋まった爪を切るための道具
陥入爪が進行し、炎症を起こした皮膚が腫れ上がると、爪が皮膚に埋もれて爪切り自体が困難になることがあります。
そのような場合は、特に慎重な対応が必要です。
ここでは、埋もれた爪を切る際のツール別の使い方や注意点について解説します。
▶ 直線刃の爪切り
通常の爪切りは刃先が丸み帯びている曲線刃が主流ですが、足爪では丸みが強くなるためスクエアオフ(四角形+角を少し丸めた形)にできず、陥入爪の原因になりやすいです。
側縁を過度に丸めずに残すために直線刃の爪切りを使いましょう。
また、爪が皮膚に深く埋まっていて、通常の爪切りでは届かない端の部分や、切りにくい場所は、無理に切ろうとせず、ニッパーなど他のツールや方法を検討しましょう。
無理に切ると、皮膚を傷つけたり、炎症を悪化させたりする可能性があります。

▶ ニッパー
ニッパーは、通常の爪切りでは届かない部分や、皮膚が腫れていて切りづらい部分の爪を切る際に有効なツールです。
刃を爪に対して水平に当て、切りたいラインを確認しながら行うとスムーズに爪を切ることができます。

▶ 爪ヤスリ
爪やすりは、爪を切った後の断面を滑らかに整えるために使用します。爪を切った断面がギザギザしていると、皮膚に引っ掛かりやすく、陥入爪の悪化の原因となることがあります。
ただし、皮膚の腫れが顕著な場合、やすりがけを行うことで皮膚に負担がかかり炎症が悪化する恐れがあるため注意が必要です。

陥入爪のトゲの切り残しに注意!
陥入爪の痛みを避けるために不適切な爪切りを繰り返していると、爪の端をトゲ状に切り残してしまうことがあります。
切り残したトゲは、爪が伸びるにつれ皮膚に刺さり、鋭い痛みを引き起こします。
このような状況を避けるためにも、日頃から爪の切り方に注意し、トゲの切り残しを作らないようにしましょう。


陥入爪のトゲの取り方や注意点

陥入爪のトゲは、放置すると様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
ここでは、トゲが残っている場合のリスク、ご自身で処理する場合の注意点と具体的な手順、そして医療機関を受診すべき目安について解説します。
トゲを放置するリスク

陥入爪のトゲを放置すると、炎症が悪化して細菌感染のリスクが高まります。
さらに、炎症が慢性化すると肉芽(にくげ)が生じることもあります。
このような状態になると、激しい痛みが生じ、日常生活に支障をきたすだけでなく、治療も長期化する可能性があります。
そのため、陥入爪のトゲは早期に適切な対処を行うことが大切です。
トゲは自分で取れる?医療機関を受診する目安
陥入爪のトゲは、状態によってご自身で処理できる場合と、医療機関を受診した方が良い場合があります。
爪や皮膚の状態をよく確認し、適切な判断をしましょう。
【自分でトゲを処理できる目安】
以下のような場合は、ご自身でトゲを処理できる可能性があります。
トゲが皮膚に軽く刺さっている程度
炎症や腫れ、痛みなどの症状が軽い
【医療機関を受診したほうがいい目安】
以下のような場合は、医療機関を受診しましょう。
トゲが深く刺さっている
トゲが折れて皮膚の中に残っている
炎症や腫れ、痛みが強い
膿が出ている

このような場合や、自分でトゲを取るのが不安な場合は、無理せず医療機関に受診するんじゃよ!
自分でトゲを取る手順とポイント
陥入爪のトゲを安全に取るには適切な手順と感染対策が重要です。
ここでは、具体的なトゲの取り方をご紹介します。
準備するもの
ピンセット
ニッパー
爪やすり
消毒用アルコール(濃度70%以上)
消毒液(刺激の少ないタイプ)
綿棒
絆創膏
手順やポイント
手指と器具の消毒
手を石鹸で丁寧に洗い消毒し、ピンセットやニッパーは消毒用アルコールなどでよく消毒します。
トゲを露出させる
周りの皮膚を軽く引っ張り、トゲをできるだけ露出させます。ポイントは、無理に剥がそうとしないこと。周囲の皮膚を軽く引っ張るようにして、慎重に行うことが大切です。
また、テーピングなどで皮膚を固定するとトゲの状態が確認しやすくなります。
トゲの除去
ピンセットやニッパーを用いて、トゲをしっかりとはさみ、露出したトゲを慎重に除去します。無理に取ろうとすると、皮膚を傷つけたりする可能性があるため注意が必要です。
必要に応じて爪やすりで断面を整える
トゲを処理した断面がギザギザしている場合は、爪やすりで滑らかに整えます。炎症した皮膚を傷つけないように慎重に行いましょう。
傷口の消毒と保護
綿棒に消毒液を浸し、傷口に優しく塗布。その後、絆創膏で保護します。絆創膏は傷口を圧迫しないように、ゆったりと貼りましょう。
【注意事項】
トゲを取る際に強い痛みや出血がある場合は、無理に続けず、医療機関を受診してください。トゲを取った後も、数日間は傷口の様子を観察し、異常があれば医療機関を受診しましょう。
炎症・膿・肉芽がある場合の爪切り
陥入爪で炎症や膿、肉芽が見られる場合、自分で爪切りをしても良いのか、医療機関を受診するべきか迷うことがあるかもしれません。
皮膚の状態によっては、爪切りによって症状の悪化や感染のリスクを招くことがあります。
ここでは症状別の対処法と、医療機関を受診する目安を解説します。
炎症がある場合

皮膚に炎症がある場合でも、初期の段階であれば、適切な爪切りとケアで症状の改善が見込めます。
しかし、炎症が起こっている部位は通常より細菌に感染しやすく、刺激にも敏感になっています。
そのため爪切りを行う際には、炎症の状態をよく観察し、適切に判断することが大切です。
爪切りが有効なケース
日常生活で気にならない程度の痛みがある
皮膚に軽い赤みや腫れがある
炎症の範囲が爪の周りの一部に限られている
爪の食い込みが軽度
爪を切るのを避けた方がいいケース
赤みや腫れが広範囲に広がっている
腫れや痛みが強い
爪の周りの皮膚がただれている
爪の食い込みが深く、爪切りでは対処できない
このような炎症の悪化の兆候が見られる場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
膿や肉芽がある場合
爪の周囲に膿が溜まっていたり肉芽ができている場合は、ご自身で爪を切ろうとすると、感染が広がったり、状況が悪化する可能性が非常に高いです。
このような場合は自己判断で爪を切らず、皮膚科などの医療機関を受診し、専門家による適切な処置を受けることが大切です。
肉芽の治療について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


まとめ
陥入爪は、日々の適切な爪切りとケアで予防することができます。
基本のスクエアオフカットを実践し、深爪には十分注意しましょう。
万が一、陥入爪になってしまった場合でも、症状に合わせた適切な対処法を知っていれば、悪化を防ぎ、早期改善を目指すことが可能です。
陥入爪のトゲが残ってしまった場合は、状態によってご自身で対処できるケースと、医療機関を受診した方が良いケースがあるため、適切に判断しましょう。
皮膚に膿や肉芽が見られる場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
正しい知識と適切なケアで、陥入爪の痛みから解放され、快適な毎日を送りましょう。




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